短期賃貸借制度の廃止
いままで短期賃貸借制度とは、抵当権が設定された後に登記された賃貸借であっても、抵当権者に損害を及ぼすものでない限り、抵当権者に対抗できる、つまり競売により競落されても土地や建物を明け渡さなくてよいというものであって、建物の場合は3年以下、土地の場合は5年以下の賃貸借が対象となっていました。
よくある話で、現実にはこの制度を悪用し、虚偽による架空の短期賃貸借をでっち上げたり、暴力団関係者や事件屋と呼ばれる人によって、誰が占有しているか分からなくしたりして、明渡の代わりに多額な立退料を請求するなど様々な抵当権の実行の妨害が行われていました。
このような社会的背景から、平成15年8月1日に民法の一部が改正され(施行は、平成16年7月31日までの政令で定める日とされています。)、この制度が廃止されました。
また敷金返還義務も抵当物件の買受人に承継されないことになりました。
ただし、競売による落札結果において、いきなり明け渡すよう求められても、困ってしまう賃借人も多いので、建物賃借人については、6ヶ月間の明け渡猶予期間が設けられました。


